2012年3月 ロンボクツーリング
サカ歴というこちらの暦の新年。
その前日、日本で言う大晦日にあたる「ニュピ」と呼ばれる日を迎える。
バリ島は完全に街の機能がストップする。
外出は禁止され、火も電気も使うことができない。
なんと乗り継ぎ便以外は飛行機も飛ばない。
ただひたすら、家でおとなしく過ごさなければならない日。
以前体験して、退屈なだけ、というのは知っているので島から脱出することにした。
行き先は隣のロンボク島。
バイクでフェリーに乗ってツーリングに行くことに。
フェリー乗り場はバリ島の東、うちから2時間。
最近道路が整備されて走りやすい道が続く。
ゴープロ動画からの抜きだし画像。
MXバイクを運んでいる。この近くにコースがあるのだ。
ゴープロは10分くらいで曇ってきた。。。駄目だなぁ。
港に到着。
すごい渋滞。みんな考えることは同じらしい。
ひたすら待つだけ。
後ろにオゴオゴ(化け物)のパレード。ねぶた祭みたいな感じかな。
バリの島中でこんな光景が繰り広げられている。
ひたすら待つ。港でカップラーメンを食べた。
なんと、港についてからフェリーに乗るまで5時間もかかった。。。
船に乗ると日本語が。
中国運輸局 中国旅客船協会 竹原波方間自動車輸送船組合 だって。
ぎゅうぎゅうに詰め込んだ乗客のなかで、これが読めるのは俺だけ。
船に乗ってからもトラックの積み込みで1時間くらい待った。
港に見える炎は、さっき見たオゴオゴを燃やしているところ。
化け物を燃やして悪霊退散。
結局船が出たのは夜7時。ロンボク島に着いたのは夜11時。
港の近くは田舎なのでホテルがたくさんある街へ移動する。
真っ暗な道を地図も無しで勘で走る。
夜12時。ホテルも予約していなかったが、
なんとか4件目で部屋がとれた。
1泊700円くらいの宿
***
翌朝、街には、、、
オゴオゴ。。。
こちらもニュピだったのだ。
基本的にはバリヒンドゥーのイベントであり、
バリ島以外はほとんどイスラム教のこの国では、
バリ以外ではニュピは関係ない、という話だったのだけど、
一時期バリ人が支配していたロンボクにはバリヒンドゥーの文化が残っている。
俺が行ったマタラムという街が、偶然そのエリアだったのだ。
ちゃんと調べてくれば良かった。
しかし、規律はバリよりは緩い。街には普通に人が出歩いている。
ところが、ある住宅街エリアはニュピエリア。通行止め。
俺が泊まったホテルはニュピエリアだったのだ。
昨晩ホテルを探していたときに、満室のホテルが多かったのはこういうわけ。
電気が使えない不自由なエリアのホテルだけ空室があったのだ。
車で来ている観光客は、朝5時までにチェックアウトして出て行ったらしい。
しかし、歩いて出るなら外出して良いという。
バイクで来たのに乗って出ることができないのか??
しかし、エンジンかけずに押して行くから、とホテルのスタッフを説得して
こっそり出ることに成功した。
ロンボクの田舎道をゴープロ装着で走る。
目指すは、山。
こちらには富士山より高い山がそびえている。
山に入って行く。気持ち良い。
そして、いよいよ未舗装ゾーンへ。
生活道であり、こちらの人はカブやスクーターでこの道を走っている。
のんびり探索。良い感じ。
バイクを降りて写真を撮っていると子供たちが。
こんな所までバイクで入ってくる外国人は珍しいのだろう。
カメラを構えると、ワーッと逃げ出す。
そんなことを2、3度繰り返した。
結局山の集落に入り込んだが、バイクで行ける限界まで行って引き返した。
村人に「何しにきたの?」と聞かれたが、「ツーリング」と答えても
きょとんとした顔をされた。
路肩に猿。
少し小さめ。屋久島の猿を思い出した。
景色の良いポイント。
きれいだな。
ということで山を下りて海へ。
バリ島ならこんなビーチは人だかりになりそうなものだが、
まだ観光地化が進んでいないので独り占めできた。
島の人たちと話すと、バリ島よりもスレていない感じ。
素朴な島民、という雰囲気だ。
お店などで、「バリより良いだろ」とよく聞かれた。
確かに自然が残っていたり、馬車タクシーが現役で活躍していたり(バリでは観光用でしかない)
何よりも、外国人を見たらカネ、カネ、という人間が少ないことを考えると良いな。
でもバリ島の方が買い物も食事も便利。
何より、仕事がある。
田舎に住むか都会に住むか、、、誰でも一回は考えたことがあるんじゃないだろうか。
ホテルに戻ると、もう押してでもバイクは駄目、と言われた。
外には見回りの人がいる。
飯を食うのも一苦労。
周辺の店は閉まっている。
2kmほど歩くとお店が営業しているエリアがあり、コンビニでビールとつまみを買った。
真っ暗なホテルでホテルの従業員と世間話をしてビールを飲んで就寝。
***
翌朝、家に残した猫が気になり、早めにホテルを出た。
ロンボクの港。
イルカが泳いでいた。5匹くらい見たかな。
残念ながらカメラには収められず。
そしてまた、バリに戻ってきた。
特に何をしたという訳でもないが、久しぶりの一人旅。
なんか気持ち良かった。たまには良いものだ。
言葉が少しは出来るようになったので旅も充実する。
予想通りケツが痛くなった。
長袖は着ていたが、グローブをつけずに走っていたので、
手の甲が日焼けで大変なことになっていた。
今度長期の休みが取れたら、さらに先の島まで行ってみようと思った。